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Last Update : 2021.07.26 

会長のご挨拶

日本核磁気共鳴学会会員の皆様へ

皆様にはご健勝のことと存じます。第三期会長に就任いたしましたご挨拶をいたします。

2002年に40年の歴史をもちNMR界に大きな貢献をしてまいりましたNMR討論会を母体として、多くのNMR研究者の熱意で日本核磁気共鳴学会が発足され4年が経過いたしました。初代会長荒田洋治先生の下で国内外におけるNMRの発展を見据えた学会の整備及び活動が展開されてきました。その精神は、第二代会長甲斐荘正恒先生に引き継がれ、学会にとって大きな試練をも乗り越え国内外における活動を大きく展開させ、世界のNMRグループからもその活動が高い評価を受けるようになりました。会員数も約600名になり、学会は益々充実してまいりました。昨年秋には、NMR討論会とジョイントしたThe 1st Asia-Pacific NMR Symposiumが開催され本学会のアジアにおけるリーダシップが示されました。また、昨年末には、ハワイにおける環太平洋国際化学会議(Pacifichem2005)では4つの分野のNMRシンポジウムが開催され、本会員が大いに活躍されました。また、他の国際会議でも本会員が活躍されています。この4年で本学会が着実に基礎をかためて、世界の重要な学会のひとつとして発展してまいりました。これは、歴代の会長、役員、会員の方々が本学会の重要な意義を見据えて貢献と活躍されてきたことによります。このようなもとで、昨年度に実施されました会員間の互選による役員選出の結果、2006年4月より2年間会長職を引き受けさせていただくことになりました。会員への貢献の充実、NMR討論会の充実、国際交流・会議を見据えて、嶋田一夫副会長、新任理事・評議員、各委員会委員、さらに維持会員企業の皆様の助けをかりながら、本学会のさらなる発展のために重責を全うするべく努力を致します所存ですのでよろしくお願い申し上げます。さらに一言申し上げます。NMRは発見以来今年で60年になりますが、基礎理論、超伝導コイル磁石、エレトロニックス、コンピュータなどの著しい進歩により大きな発展をしてきました。現在、NMRは物理、化学、生物科学、高分子科学、材料科学、薬学、医学、農芸化学などの分野に大きな貢献をしています。NMR研究者の大きな活躍により将来もさらなる大きな展開が期待されます。私の好きな言葉で、ギリシャ時代の哲学者達が心に刻んでいた「創造せんとする人はまずは夢見ねばならない」を思い出します。大きな夢をもつ会員にいつも応えられる学会となり、世界に冠たるNMR学会となるべくさらなる飛躍を学会役員、会員の皆様と進んで行きたいと考えています。4年間の本学会の活動を踏まえて、2006年度以降の学会の活動予定について述べさせていただきます。

[1] 第45回NMR討論会
本学会の活動の中心で、会員の方々の研究成果の発表の場であり、情報交換の場であります。また、この場を通してNMR研究が世界に発信されるとともに、世界からNMRの情報が入る活動の場であります。NMR討論会は益々国際化してきました。NMR討論会の活発な活動は本学会にとって重要であります。2006年度NMR討論会は11月22―24日(白川昌宏運営委員長の下で京都大学キャンパスにて開催)に開催されます。詳細はホームページに掲載されています。

[2] The 1st Asia-Pacific NMR Symposium
アジア地域のNMRの国際交流を図るため甲斐荘正恒前会長を組織委員長としてAsia-Pacific NMR Symposium(阿久津秀雄大会委員長)が第44回NMR討論会(内藤晶運営委員長)とジョイントして横浜大桟橋ホールにて開催され、海外から韓国、中国、香港、台湾、アメリカ、カナダ、オーストラリア、シンガポール、ドイツ、イギリス、デンマークから100名を越える参加者を得て活発な研究の発表が行われ、意義ある議論が活発になされ大きな成果がありました。本学会にとって初めての国際貢献となり、今後アジア地区での定期的な国際会議を開催する道を拓いた国際会議となりました。

[3] 国際学会共催
NMR討論会の学会化に伴う利点の一つは、準備期間に長期を要する国際学会活動基盤を設立できることにあります。ISMAR(International Society of Magnetic Resonance) Meetingを日本で開催する可能性、1998年に開催されたICMRBS(International Conference on Magnetic Resonance in Biological Systems)を再度招聘する可能性など大きな国際学会の開催母体として本学会の存在は益々重要となってきました。また、既に4回を数える日本と台湾のNMRシンポジウムが開催されてきました。昨年は2)に紹介いたしましたようにThe 1st Asia-Pacific NMR Symposiumが横浜で開催されました。アジア地区でのNMR研究が大きく発展する状況になれば、討論会を拡大し、米国のExperimental NMR Conferenceのように国際学会化する可能性も出てきます。次世代の若手研究者を中心に、このような国際化へ対応が本学会における将来の主要な活動の一つとなります。

[4] 国際活動
2004年1月19−31日に、アジア地域の生体系NMRの振興を図るため国際生物物理学会(IUPUB)のNMR Task Force からの本学会への要請を受け、阿久津秀雄理事を組織委員長としてJSPS、大阪大学蛋白研究所、及び本学会の維持会員企業の助成によりJASS’03-Winter Schoolが開催されました。IUPUBにとっても初めてのアジア地区でのNMR啓蒙活動であり、また本学会としても初めての国際貢献となりました。アジア10カ国から40名を越える参加者を得て、2004年1月19−31日に大阪大学を中心に成功裏に開催致しました。20名に達する国際的に著名な研究者、若手研究者を講師として招き、基礎から最先端までの幅広い生体系NMR分野を含んだ講義・実習を通し、国際交流の観点からも大きな成果があったと思います。尚、我が国からの参加者は本学会の会員(学生会員)を受講資格とし、ホームページなどを通して会員に向けての広報活動を行いました。今後、このような国際貢献も本学会の活動のひとつであります。

[5] 京極記念基金
本学会の創立時の理事であられた故京極好正大阪大学名誉教授のご遺族からの申し入れを受け、同理事の学会への貢献を記念した基金300万円を若手研究者の海外渡航費用の助成に利用させて頂くことに致しました。現在はその助成方法などを含めて運営に関する枠組みを検討中ですが、2004年度に開催されましたISMAR Meeting或いは2005年に開催さましたICMRBSなど、本学会とも縁の深い重要な磁気共鳴国際会議で研究発表を行うために渡航費用の助成を必要とする若手研究者に支援をしてまいりました。2006年度も本会のホームページを通して公募し選定いたします。

[6] 顕彰
(1) 名誉会員(Honorary Member)
本学会会則第5条に定められていますように、NMR研究に特に功労のあった方を名誉会員として顕彰しています。ホームページ内の「顕彰」に掲載されていますように、NMR研究に特に功労があり、本学会に多大な貢献をされてきました国内4名、国外4名の方々が名誉会員として顕彰されています。名誉会員の方には、名誉会員証及びメダルを贈呈いたしています。

(2) 特別講演者(Honorary Speaker)
NMR研究に特に功労のあった方でNMR討論会において特別講演をおこなっていただきました2004年度以降の講演者に感謝するために、感謝状及びメダルを贈呈いたしています。ホームページ内の「顕彰」に掲載されていますように、2004年度2名、2005年度1名の方々が顕彰されています。

(3) 若手ポスター賞
第41回NMR討論会(朝倉哲郎世話人)において導入された若手ポスター賞は2003年度の討論会に継続されています。これまでは世話人の名前で賞状、及び副賞を与してきましたが、2005年度以降本賞を学会における様々な顕彰活動の一環として位置づけて顕彰されています。ホームページ内の「顕彰」に掲載されています方々が顕彰されています。

[7] 学会の広報活動
(1) NMRニュースレター
本学会の会員相互のNMRに関する情報交換の場を提供するために広報担当寺尾武彦理事の下でNMRニュースレターを創設し、会員からの情報を受けそれを会員に配信をしています。2004年7月14日の配信を第1号として現在まで52号を配信し、会員へ大きな貢献をしています。
対象内容は、

1)講演会・研究会のお知らせ
2)博士研究員・教官等の公募案内
3)研究に関する報告等
4)新刊書の書評、最近読んだ興味深い論文の紹介
5)国際会議の開催通知
6)賛助会員による新製品情報
7)不用物品情報
8)その他、会員に有益と思われるNMRに関する情報

であります。ホームページ内の「NMRニュースレター」にその内容及び1号から52号までのNMRニュースレターが掲載されています。

(2) 学会ホームページ
本学会のホームページは広報担当齋藤公児理事が中心に担当し、本学会の会員へ情報の場を提供するとともに、外部へ本学会の活動を発進いたしています。今後、内容を益々充実してまいります。

2006年4月1日

日本核磁気共鳴学会
会長 安藤 勲