62nd-nmr

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チュートリアルコース

第62回NMR討論会におけるチュートリアルコースは,3名の講師をお迎えして開催します。
開催場所は横浜市立大学(金沢八景キャンパス), YCUスクエア Y404号室となります. このコースは主に,学生・若手研究者を対象としていますが,一般の方の参加も歓迎いたします. 参加費は無料です.定員約200名.

チュートリアルコース参加登録7/4 Open! FormMailerサイトへ移動します.

10月31日(火)締め切りですが,教場の人数制限を超えた場合は早めに締め切ることもあります.

9月19日(火)現在,まだまだ余裕があります!登録は締め切りましたが,当日参加歓迎です。

チュートリアルに参加される皆様

11月6日は大学祭の後片付け日になっています。大きな荷物やトラックなどにご注意下さい。

11月6日は八景キャンパス内の食堂もコンビニも定休日となっています。キャンパスに食堂やコンビニが隣接していないので、駅前かイオンモール等でご対応をお願いいたします。

受付は4階に設置しますが、12:45から5階に移動し、4階の教室の扉は閉めさせて頂きます。12:45を過ぎた場合は、お手数ですが5階(教室後方入り口)から入室をお願いいたします。

概 要

会 期 2023/11/6(月)12:45~17:45(受付11:45)時間変更!
会 場 横浜市立大学の金沢八景キャンパスYCUスクエア 4F Y404号室
〒236-0027 横浜市金沢区瀬戸22-2
講 師 宮ノ入 洋平 先生(阪大蛋白研)
西山 裕介 先生(JEOL)
寺尾 武彦 先生(京大理)

プログラム

時間プログラム内容

HPより拝借
12:45~14:15
宮ノ入洋平 先生(阪大蛋白研)
こまかすぎてつたわらない溶液NMRの実験法

NMR試料の調製やルーティン的な実験において、細かなところで疑問に思うことはないでしょうか? 試料管にサンプルを入れる方法や、滴定実験の方法などは、論文や学会発表では触れられず、 所属研究室の伝統的な手法を盲目的に利用することが多いかと思います。 これらの技術は、些細なことと思われがちですが、データの品質や再現性に直結することも少なくありません。 特に、近年ではNMR装置の共同利用が進んでおりますが、同じ実験をしても装置間でデータが一致せず、 悩ましい経験をされるかたもいらっしゃると思います。

細かな作業でも、ちょっとしたノウハウを共有できれば、作業効率があがりますし、 みなさんが使われている標準的な手法を知ることで、”基準値”を得られ、再現性の高いデータが取れると思います。 共用装置を管理する立場からも、さまざまなハンドリング方法を、皆さんが独自に持たれていることを目の当たりにします。 これら技術を、可能な範囲で共有することができれば、皆さんの研究活動に役立てられるのではないでしょうか。 少々こまかすぎる話になるかと思いますが、是非みなさんで、普段の些細な問題について議論できればと思います。


facebook より拝借
14:30~16:00
西山裕介 先生(JEOL)
有機物の固体高速MAS測定の調整方法

近年急速に発展した測定技術の一つに固体NMRにおける高速MASが 挙げられると思います。一般的に用いられている外径4mm程度の試料管では 試料回転速度が15-20kHz程度が上限となっています。 一方で、高速MASは更に細い試料管を用いることによって 試料回転の高速化を実現しました。 この手法の最大のメリットは固体試料の 1Hの分解能の向上です。 もちろんそのほかにも常磁性試料やサンプル量が限られている試料の測定にも 非常に大きな力を発揮します。 ここでは、ターゲットを有機物に絞って実験の最適化の方法、 またどのような情報が得られるのかについて、まとめてご紹介しようと思います。


k-dance.jp/blog より拝借
16:15~17:45
寺尾武彦 先生(京大)
NMRを創った人たち:Rabi and Bloch -分子線NMRから凝縮系NMRへ-

教科書では、長年にわたって積み重ねられた多数の研究成果が系統的に整理され、 簡潔に淡々と記述されていて、学問が創られた背景にある含蓄に富んだ話はすっかり削ぎ落とされている。 しかし、未踏の地に道を切り開いた開拓者たちが歴史的な研究に取り掛かったきっかけや鍵となるアイデアの着想の経緯、 あるいは回り道やつまずきなど創造の過程で辿った軌跡を知ることは、我々にとって間違いなく貴重な財産になるだろう。 そのためには、研究を行なった本人の育った環境や受けた教育、研究が行なわれた時代背景、 研究環境、周辺の人々の関わりや反応など、学問が創られるに至った状況を多面的に知ることも極めて重要である。 本講演では、時代を画した研究を行った人物にスポットを当てて、できる限りその研究が成功するに至った道のりや、 研究が行われた現場を、様々な文脈において多面的に蘇らせる。うまくいけば、おそらくはその人物の人間性や生き方に根ざしているであろう、 研究に対する姿勢やものの考え方、奥深い想いが浮かび上がってくるかも知れない。 その試みを通して、研究者として歩み出した若い人たちに、“ 科学する” とはどういうことなのかを物語全体から感じ取ってもらえれることを願っている。 今回は、Rabiの物語を終えてBlochの話に入る予定である。