チュートリアルコース

好評を得ているチュートリアルコースを、本年も討論会に先立ち開催します。 NMRの歴史から、最近の進歩・動向までを3名の先生方にレビューしていただきます。 学生・若手研究者を主な対象としていますが、一般の方の参加も歓迎します。

概要

日時 2010年11月14日 (日) 13:00〜18:00
会場 タワーホール船堀 4F 研修室
参加登録 以下のリンクボタンからホームページを通じてオンラインで行って下さい。
数日後に、登録完了を知らせるメールが送付されます。
登録後1週間経っても完了メールが届かない場合は、御手数ですが事務局(nmr49(アトマーク)nmrlab.f.u-tokyo.ac.jp)まで御連絡下さい。
チュートリアルコース登録
講師 (五十音順) 伊藤 隆 先生 (首都大学東京 大学院理工学研究科)
寺尾 武彦 先生 (京都大学)
内藤 晶 先生 (横浜国立大学大学院 工学研究院)

プログラム

時間 プログラム内容
13:00〜14:30
溶液NMR解析技術:基礎から最新技術まで
伊藤 隆 先生(首都大学東京大学院理工学研究科 教授)

溶液NMRの方法論の進歩と成熟に伴って,私たちがNMR解析を行うために必要な知識は少しずつ変化している.今回のチュートリアルコースでは,今NMRをはじめる研究者の立場に立ち,生体高分子の解析を例にとって,まず溶液NMR解析技術(試料調製から高次構造解析等まで)の現状を概説し,必要とされる基礎知識を紹介したい.次に,最近注目を集めている新たなトピックやNMR討論会で実際に発表される演題から興味深いものを何点か取り上げ,わかりやすく紹介したい.
 
14:45〜16:15
固体NMR最新手法の基礎と応用
内藤 晶 先生 (横浜国立大学大学院 工学研究院 教授)

固体NMRの手法は、溶液状態ではなく、異方的な相互作用が支配的な系や状態に対して有効である。すなわち、固体材料や高分子の物性研究、生体高分子の構造機能相関の研究に応用が広がっている。この固体NMRの最新の手法について理論的背景からその応用にわたる範囲を実際の研究例に基づいて解説する。
具体的には「静止試料の磁気相互作用の解析」「MAS試料の磁気相互作用の解析」「原子間距離測定」「各種固体多次元NMR」の内容に関する最近の技術の進歩を取り上げて、固体NMR分光法の基礎から応用にわたる実験法を、具体的な研究例を紹介しながら解説する。
 
16:30〜18:00
NMRはいかに創られたか: 4. パルスNMR法の出現
寺尾 武彦 先生(京都大学 名誉教授)

教科書では長年にわたって積み重ねられた多数の研究成果が系統的に整理され、簡潔に淡々と記述されている。しかし、その行間には先人たちの汗と涙がにじみ、フィクションを超えるドラマが潜んでいる。本講演では時代を画したNMR の研究にスポットを当て、どのような時代背景の下でどういう人物が何をきっかけに歴史的な発想を得たのか、またどんな困難に出くわしてそれをどう解決して 研究を完成させたかを人間的なエピソードを交えて話す。今回は Hahnにまつわる話を中心にパルスNMR法の出現に焦点を当てる。若い方々が話を通じて科学するということがどういうことなのかを感じ取って頂 ければ幸いである。
 

〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院薬学系研究科 生命物理化学教室 嶋田 一夫
mail: nmr49(アトマーク)nmrlab.f.u-tokyo.ac.jp